大阪高等裁判所 昭和24年(を)3269号 判決 1949年10月26日
被告人
赤嶺淸市
外一名
主文
原判決中被告人両名に関する部分を破棄する
被告人赤嶺淸市を懲役参月に被告人石川吉太郞を懲役弍月に処する
但被告人両名に対し何れも弍年間右刑の執行を猶予する
原審の訴訟費用は各その五分の一宛を被告人等の負担とする
理由
被告人赤嶺に関する第一点について
しかし、本件犯罪は連合國最高司令官の承認を受けないで密出國又は密入國をした場合に成立し密航船に関する被告人の認識の有無は犯罪の成否に影響はないのであるから被告人に密航船なることの認識のなかつたことを云爲して事実誤認を主張する論旨は理由がない。
同第二点について
しかし、原判決が証拠によつて認定した事実によれば、被告人は昭和二十四年五月五日頃日本から沖繩に渡り同地同年七月二日頃迄滯在し更に同月十日頃日本に帰つて來たと云うのであるからその出國と入國とはそれぞれ別個独立の犯罪を構成するものと解すべきである。
所論は之とちがつた見解の下に包括一罪であると主張するのであるから採用することはできない。
以下省略
〔註〕 結局量刑不当にて破棄自判